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ひぐらし×刃牙 「背中の鬼の哭く頃に」 その4

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ひぐらし×刃牙 「背中の鬼の哭く頃に」 その1
ひぐらし×刃牙 「背中の鬼の哭く頃に」 その2
ひぐらし×刃牙 「背中の鬼の哭く頃に」 その3




283 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:36:06.72 ID:L+UMQOiN0
「・・・ん?待てよ・・・、雛見沢始まって以来?未曾有の大ピンチ?・・いやそうじゃ
ねえな・・・。思い出した、俺は今目の前で起こったこんなチンケな出来事なんて
消し飛んじまうくらいドデカい、本当の、絶体絶命の危機ってヤツを知っているッッ!!!!
6年前だ・・・
日本国と言う巨大な法治国家を相手にッ!!雛見沢と言うちっぽけな寒村がッ!!!
一歩も引かず真っ向から戦いを挑んだッッ!!!!そう!!あの雛見沢ダム闘争ッッッ!!!!
村の偉大な先人達は、勝てるハズが無いと言われていた戦いに臆する事なく挑み、
一人には二人、二人には四人、四人には八人八人には全員での精神で固く結束し
決死の覚悟で見事勝利を勝ち取った!!!村を絶体絶命の危機から救ったんだッッ!!!!
彼等は教えてくれたッ!!俺達雛見沢の人間が心を一つにして勝利を信じれば、
決して打ち破れない壁など無い事をッッ!!!!!!」

歓声が上がり始める。皆口々に当時を語り、死人のようだった顔には生気が戻り始めた。

「俺達は負けないッ!!何があっても絶対にだッッ!!!!
一対一の闘いの場で一人を俺達全員で袋にするワケにゃいかないが、信じようッ!!!!
俺達の代表である鬼の子達をッ!!ヤツラは必ずやってくれる!!!!俺達の声援で、
ヤツラを勝利に導いてやろうぜぇぇぇぇぇッッ!!!!!!!!!!!」

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

会場が割れんばかりに歓声が上がった。

そう、K1は口先の魔術師。彼の役目は‘どうにもならない’苦境を前に
カラ元気で仲間を奮い立たせる事だった・・・



284 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:39:51.60 ID:L+UMQOiN0

準決勝第一試合

レナ 対 赤坂

赤坂の心に最早迷いは無い。
守るべき少女には変態と蔑まれ、
家に帰れば妻との絶望的な家族会議が待っている。
ロリコンとしてのプライドも粉々に打ち砕かれた。
全てを失った彼の心にただ一つ宿ったのは闘争心だった。
思えばいつも大儀の為に闘ってきた。警察に身を置き
世の悪を正すため闘った、この地雛見沢で人知れず
命を狙われるか弱き少女の為に闘った。自分にとって
空手とは何かを守る為の手段だったのだ。
今の自分が守れるのもなど何も無い。それが逆に
彼の心を開放した。
父でもなく夫でもなく少女を守る騎士でもない、一人の
男として全力で闘いたい。自分の力を試してみたい。
目の前の相手は少女だが、彼女には自分が全力をぶつける
だけの実力が十分にある。
彼は今一匹の獣だった。



286 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:42:58.34 ID:L+UMQOiN0
「始めぃッッ!!」

バッ
赤坂は徹甲弾の構えを取った。

「あの人本気のようね、手加減を初弾からやめるつもりだわ」
「レナは幼女でも巨乳でもないからきっと股間の徹甲弾が反応しないのです」

雪絵と梨花の声など最早赤坂の耳には届かない。
彼は構えながらもすり足で少しづつレナとの間合いを詰めて行く。

梨花はこの試合、赤坂に微かな勝算を見出していた。
彼が一回戦で見せた徹甲弾は彼女の予想を遥かに上回るものだったからだ。
音速を超えた彼の拳と並ぶ速度で攻撃出来る者はこの雛見沢には、
いや恐らく世界中探しても見当たらないのでは無いか?
その拳を避ける事が出来る者もまたしかりだ。
つまり彼があの構えをしている以上、彼の間合いに入った相手はその拳を
避ける事も先手を取って攻撃する事も出来ないのだ。
それはまるで必勝が約束されたゲームのルールのようだった。
レナが人知を超えた怪物である事に変わりは無い。しかしいかなレナとて
そのルールから逃れる事は出来ない。
徹甲弾は一撃当たれば後に続く数発は必ず食らってしまう、彼女のタフネスを
差し引いてもかなりのダメージを負う事は間違いないだろう。そこに付け入る
事が出来れば赤坂の勝機は十分にある!
・・・理屈ではそうなのだ。何度考えてもその事実は変わらない。
しかしそれでもレナは敗けない、そんな確信めいた予感がどうしても彼女の頭から
離れなかった。



287 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:46:50.40 ID:L+UMQOiN0
赤坂はレナとの距離をあと2、3メートルと言うところまで縮めていた。
(何故動かないの・・・ッ)
徹甲弾の脅威を考えるならレナはステップを踏むべきだろう。
ステップで赤坂のサイドに回り込もうとすれば彼もそれに対応して徹甲弾の
構えを一時的に崩す事になる。その隙をなんとか突いて組み合いか乱戦に
持って行く事が彼女の唯一の勝機のハズだ。
だがレナは一歩も動かず、ただその濁った瞳で目の前の赤坂を見つめているのだった。

赤坂もまた、そんなレナの行為に微塵も動揺する事無く距離を確実に詰めてゆく。
相手がどうあろうと自分は全力で闘うのみだ。彼の心は揺るがない。


そして赤坂の制空権がレナを捉えた。



288 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:49:40.95 ID:L+UMQOiN0

パパァンッ!!

破裂音が2発、ほぼ同時に鳴り響いた。
ガク
梨花は負傷した右足の痛みも忘れてその場にヒザをついた。
(勝てない・・・・)
今彼女の目の前で起きた光景は、彼女の中に灯っていた微かな希望の光を
漆黒の暗闇で覆い尽くし跡形も無く消し去ってしまった。
会場の誰もが認識出来なかったその刹那の瞬間を、合気の道を極めた
この幼い達人の動体視力は見逃してくれなかったのだ。

赤坂がレナを射程に捉えた瞬間、彼は迷う事無くレナの顔面に徹甲弾を放った。
それが反射神経なのかタイミングを計ったものなのかは分からない。
分からないがレナは確かにかわした。音速を超えた拳を。
かわしながら一歩前に踏み出した。レナが自分の間合いに赤坂を捕らえたのと
ほぼ同時に彼も拳を引き2発目を打つ体勢に入っていた。
そして二人は同時に拳を繰り出した。
そして2度目の破裂音。
赤坂の徹甲弾が音の壁を破った音ではない。その拳がレナに触れる前に
レナの拳が赤坂の顔面を打ち抜いていた。
音速を超えた拳の速度を更に超えた拳を放ったのだ。
赤坂は拳を前方に伸ばしかけたまま後ろに倒れて沈黙した。



289 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:52:36.13 ID:L+UMQOiN0

会場の誰もが言葉を失う中、レナは振り返って選手入場口に歩き出した。
その姿に促されたかのように公由が試合終了の合図を言い渡した。

(強くなってる・・?私と闘った時よりも・・)

今レナが見せた恐るべき瞬発力と反射神経は、梨花と対戦した時のソレを明らかに
上回っていた。レナが手加減していたと考えられない。瞳に狂気を宿してからの
レナは間違いなく全力だったハズだ。梨花がそれを計り違えるワケがない。
ならばこの事態はどういう事なのか、レナはたった一戦しただけで身体能力すら
向上させてしまったと言うのか?
「ありえない・・・」
自分の眼前に広がった暗闇に梨花は思考を奪われ、
雛見沢を体現するその言葉を小さく呟のが精一杯だった。



290 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:54:56.71 ID:L+UMQOiN0

試合を終え、選手入場用の通路を歩くレナの前に入江が立ちはだかった。

「C120・・・・それもかなり大量に摂取してますね」

「神聖な格闘技の試合に薬物を用いて、なんと卑怯な娘――――――
とおっしゃりたいんですか?」
レナは無表情のまま言い放った。

「レナさん」
そんな言葉を制すように入江は言った。

「決勝戦を辞退してください」

―――――沈黙。
レナは無表情のままその濁った瞳を入江に向けている。



291 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 04:58:01.98 ID:L+UMQOiN0

「・・・・・・・・ッ」
シュッ
その沈黙に耐えかね、入江はやむを得ずレナを力で制そうと、彼女の顔面に掌底を放った。
パシィンッ!
レナはそれを片手で受け止め、二人は片手同士で互いに押し合う形になった。
「薬の切れた今なら、私に勝てると思いました?」
レナが力を入れると入江の身体に恐ろしい程の重圧がかけられた。
それを支える下半身がブルブルと震え出す。
「クッ!」
入江はたまらずレナと押し合う片手にもう片方の手を添えた。
「両手なら、ナチュラルのハズの私に負けるはずが無い、と思いましたか?」
重圧はとどまる事を知らず、レナは片手一本で入江の身体を押さえ込んで行く。
ガッ
入江の両膝が地面についた。
「く・・くッッ」
ドッ
そのまま背中も地面に押さえ付けられる。
ガッ
「ッ!!」
レナは入江の両手と組んだままの片手を入江の喉に押し付けた。
「~~~~~~ッッ!!!!!」
自分の手の甲に喉仏を圧迫される痛みに入江は足をバタつかせて
もがいた。



292 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:01:34.88 ID:yN8BpW6K0


パッ
レナは力を抜き手を離すと、何も言わず選手入場用の通路を歩き出した。

「レナさんッ!薬物が卑怯だから試合を止めるワケではありませんッ!!」
床にへたり込みながら必死の形相で入江が叫んだ。

「次の試合で貴方は確実にL5を発症しますッッ!!!」

「私は確かに貴方にC120を処方しましたッ!!しかしそれはあくまで治療の為です!!
用法を誤り一度に規定量以上のC120を摂取すれば寄生虫の防御本能は逆に活発化
されてしまいますッ!!!貴方はその副産物としての身体能力と闘争本能の爆発的向上を
得る為にワザとそのような摂取の仕方をしているのでしょう、しかし貴方の精神はもう
ボロボロに崩壊しているんですッ!!!今なら助かります!!!」

レナはただ黙々と通路を歩いて行く。

「レナさぁぁーんッッ!!!!」



293 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:02:10.87 ID:iTEINdt20
女なのにジャックなレナw


296 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:04:48.61 ID:yN8BpW6K0
準決勝第二試合

サトコォー 対 刃牙


試合場は沸きに沸いている。
俺が詩音に圧勝したのがどうも村民の逆鱗に触れたらしい。
血管を浮き上がらせて俺に野次を飛ばす観客達は今にも飛び掛ってきそうな勢いだ。
それを煽ったK1はアナウンス席で申し訳なさそうに俺を片手で拝んでいる。
しかし俺には、いや俺達にはそんな事はどうでもいい。俺とサトコォーがやり合うのは恐らくこれが最後だろう。
目的を達したアイツの道と俺の道が交わる事はもうない。
だから今は・・・

「悪ぃな、なんか付き合せちまったみたいで」

「ほほほ、何をおっしゃいますの。この私が敗けたままで終わっては夢見が悪いと
言うものですわ。言いましたでしょう?その天狗の鼻をヘシ折って差し上げるのが
私の最後の仕事ですわ」

「へっ、相変わらず口の減らねえヤツだぜ。ボロボロの身体で無理すんじゃねえぞ」

俺達は互いにニヤリと笑い合った。

(わかっていますわ刃牙さん。全力で。掛け値無しの全力で倒して差し上げます)

(ああ、俺達に手加減なんて似合わねえ。全力でやろうぜ、悔いの残らないように)

怒号と歓声が飛び交う中、公由のじいさんが試合開始の合図を言い渡した。



297 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:08:16.32 ID:yN8BpW6K0

試合開始直後、サトコォーの放つ貫手をかわしざまに合わせた右は

正確にサトコォーのアゴの先端を捕らえ

脳を頭骨内壁に激突させ

あたかもピンボールゲームの如く頭骨内での振動激突を繰り返し生じさせ

典型的な脳震盪の症状を作り出した



300 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:11:24.42 ID:yN8BpW6K0

さらには既に意識を分断されたサトコォーの下アゴへ

ダメ押しの左アッパー

崩れ落ちる体勢を利用した

左背足による廻し蹴りは

サトコォーを更なる遠い世界へと連れ去り

全てを終わらせた

その間実に2秒

声を忘れた観客達は

ただただ目前の状況を見守るのみ

これがもうじき14歳を迎えようとする少年範馬刃牙

ベストコンディションの姿である




301 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:12:59.90 ID:TiapbRgp0
春成wwwwwwwwwwww



302 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:14:35.74 ID:SZkzcm6eO
まんまじゃねえかwwwwwwwww



303 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:14:41.86 ID:yN8BpW6K0
>298-229
ありがと!



「気付いたかい?」
治療室のベッドで目を覚ました沙都子を、富田は心配そうに
覗き込んだ。

その様子から、彼女は自分が試合に負けた事を知った。
「・・まったくたいしたモノですわね、あの方は。少し前までは
まかりなりにも互角に闘えていたと言うのに・・・。
紐切りサトコォーの最後の闘いがこんな惨敗では格好がつきませんわ、まったく」

沙都子は試合の内容を聞く事はない。もう知る必要が無いのだから。
だから富田もそれには触れず、ただ沙都子の身体を気遣った。
「北条、身体は大丈夫かい?」

「ええ大丈夫ですわ、ありがとう。・・・これからはこの身体ももう少し
いたわってあげないといけませんわね、もう闘う事もございませんのですから」
つい先刻まで常に自分の武器で有り続けていた両手を慈しむように見つめる
沙都子の姿を見て、富田は複雑な表情を浮かべた。



305 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:17:52.08 ID:yN8BpW6K0
>301-302
手抜きじゃねえよ?wwwww



「富田さん、どうされたんですの?なんとも言えない顔をしてらっしゃいますわよ?」

「僕は・・・・一度も君に勝てなかったね・・・」
自分が沙都子に勝っても何の解決にもならない事は分かっていた。
しかしそうする以外に彼は決意に燃える沙都子の心に触れる術を見出せなかったのだ。
男としてのプライドもあった。

「修行が足りませんことよ?これからは尚いっそう精進なさいまし。
私も今はただのか弱いレディーなんでござますから」
沙都子は壁の方を向きながら無愛想に言い放った。
「えっ?」

「もうっ、気の利かない人ですわね!レディーを守るのは殿方の役目では
ございませんこと?まあ武器を使うのは個人的には好きではありませんけど・・」
彼女はそう言って富田の目を見つめ、悪戯っぽく笑った。

その意味をおぼろげながら理解した富田は、赤面しながら慌てて沙都子から
顔を逸らした。
しかしその瞳には新たな決意の光が輝いていた。





307 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:21:13.61 ID:yN8BpW6K0

子供の頃、父に動物園に連れて行ってもらった事がある。
父が私をどこかに連れて行ってくれたのは、後にも先にもそれっきりだった。
だからその時の事は今でも深く心に残っている。

父は私を連れ、色々な動物達を見せて回った。
まるで夢のような時間。ゾウ・・キリン・・パンダ・・ライオン・・、
見た事の無い巨大な動物達が檻の中を生き生きと動き回っている。
それまで小さな世界の中で生きてきて、外の世界を知らなかった
幼い私にとって、それはまるでおとぎ話の世界に迷い込んだような
信じられない光景で、私はただただ圧倒されるばかりだった。
そんな私を見て、父は満足そうに笑った。


私の忘れられない思い出。

私の忌まわしい記憶。






決勝戦

レナ 対 刃牙




304 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:16:07.08 ID:b65sgiPP0
トラップの沙都子が紐切り沙都子ってのは素敵だと思うんだ



306 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:18:07.92 ID:Txcc1DKc0
4時くらいから読み始めたけどまだ続いてんだなw
刃牙はわかんねーけど、ひぐらしに対する愛情が要所に感じられる。
正直面白い。



309 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:27:51.71 ID:yN8BpW6K0
>>304
沙都子の元ネタだけはどうしても決まらなくて最終的にサトコォーと昇昂の響きが
似てるっつー理由で紐切りに決めたのは言わない方がよかったかww>306

>>306
その一言が俺の心を救いますw
ひぐらしも刃牙も大好きだけど、このストーリーは人選ぶとは思ってた。だからみんな>>1の最後の行を
よく読んで欲しいわな。





「皆様、大変長らくお待たせいたしました!」

「唯今よりついに!ついに昭和59年度雛見沢裏綿流し祭り決勝が始まります!!
・・・・・・・!!
・・・・・・!!
・・・・・!
・・!




310 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:30:36.88 ID:yN8BpW6K0

K1がマイクでまくし立てている。会場のボルテージも最高潮と言ったところだ。
皆オレをぶちのめせと騒いでいる。
ついに決勝まで来た。強えヤツを探してこの村に来て色んなヤツと闘ったけど、
俺はとうとう雛見沢最強を決める祭りの決勝にまで辿り着いた。
この闘いがオレにとって雛見沢での最後の闘いになるたろう。

これから俺はレナと闘う。
あの化け物みたいな女との闘いを前にして、どうして俺の心はこんなに安らかなんだろう?
恐ろしい程の強さとプレッシャーを垣間見せる一方で、俺に優しい眼差しと、気恥ずかしいような温もりをくれた。
あの人の深く濁った瞳を見るたびに、俺の身体は激しく震えた。でもそれは決して恐怖から来たものじゃない。
今わかった。
あれは、相手が自分と同じところから来た自分より大きな存在だ、と身体が発したサイン。
絶対に逆らえない相手に自分の全てを委ねてしまえる安心感と、相手を倒して自己を
確立しなければならないと思う二つの相反する感情がせめぎあって生まれる混乱。
レナが母さんにダブって見えたもの当然かもしれない。
もし俺に兄弟がいたら、きっとあんな感じなんだろうな・・・。

「・・・・・!!・・・!!!    ・・・・・・・・ッ」
K1のアナウンスが急に途切れた。

「おい・・・レナ・・。なんでお前の背中に・・・・・‘範馬’って書いてあるんだ・・・?」

そっか・・・・。やっぱそうなのか。
俺は静かに呟いた。


「ねえさん・・・・・」




311 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:33:01.59 ID:yN8BpW6K0


「姉さん・・・」

「そんな・・・
そんな気がしていた・・・」

「喜んでくれるかい?」

レナは両手で俺の手を握り、優しく微笑んだ。

「エラいよ・・・
よくそんな体格で上がってきたね・・・」

「心配しないで。思い切り叩き潰してあげるから」

「うん・・・・うん・・」

「アリガト・・・・・・・・オレも・・・」

「オレもそうする・・・」

・・・・・ギュッ

姉さんは俺の身体を強く抱きしめてくれた。
とても温かかった。



313 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:35:41.82 ID:yN8BpW6K0
俺たちが一度闘技場の両端まで離れると、試合開始の合図が言い渡された。

ザッザッザッザ

俺たちはお互いゆっくりと歩み寄って行く。

ザッザッザ

姉さん・・・

ザッザッザ

俺・・・

ザッザッザ

俺・・・・・


バキィィィィッッ!!!!!



「こッッ・・・これは凄いッッ!!なんという打撃戦だッッ!!!!」



315 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:39:04.49 ID:L+UMQOiN0

俺たちは防御も忘れて殴り合った。互いの存在を確かめ合うように
ただただ相手の身体に渾身の蹴りと拳をぶつけ合った。

姉さん、俺こんなに強くなったよ!

俺は小便を漏らしながら泣いていた。
家族の愛を知らない俺が、初めて愛を与えてくれる人に出会った。
その人と今、全身全霊を賭けて互いの身体を破壊しあっている。
悲しいのか、それともうれしいのか。俺には分からない。
でもこの闘いが終われば、どちらかはボロボロの身体を地面に横たえているだろう。

グイッ

レナは左手で俺の頭を押さえつけ、俺の上半身を前傾させた。
ドッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ!!!!
そして俺のボディに右手でボディーブローを連発した。
俺はそのまま身を屈めて両手でガードを固めた。
防戦一方になった俺の身体にレナは凄まじい勢いでラッシュを放つ。
ガコッ!!バキッ!!ドガッ!!
そのラッシュに耐えながら、俺は隙をついて屈めていた上体を起こす勢いを
使い、レナのアゴにアッパーカットをぶち当てた。
ガキィィィィッッ!!!



317 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:43:20.50 ID:L+UMQOiN0
アゴを打ち上げられ大きく身体を伸ばしたレナの足を、俺はじゃがんで
蹴りを放って払った。
ダンッッ!!!
レナは後ろにひっくり返る形で腰を丸めて肩のあたりから地面に落下したが、
ザンッ!!
首の力で飛び起きながら頭の辺りまで来ていた両足を勢いよく前方に振って
俺の両肩にひっかけた。
俺はレナを前方から肩車するような体勢になった。
ベチィィッ!!バキィィッ!!ガッ!!ゴッ!!
レナは俺の肩に取り付きながら両手で俺の顔を殴った。
ドンッ!!
そして俺の顔を踏み台にして上空に高く飛び上がる。

俺は顔を蹴られた衝撃で背中から地面に叩きつけられた。
その俺の視界に両足で俺の顔面を狙いながら落下して来るレナが見えた。
バォッッ!!
ザンッッ!!
俺は跳ね起きてそれを寸ででかわした。


「い~い感じで・・・温まったァ・・」

「レナもだよ・・」

「やっと体勢が・・・・・・整った」



314 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:36:28.14 ID:USNICTkyO
これは予想外

まさかオリジナルな設定が来るとは思わなんだ

そんな事より中の人超ガンガレ!!



316 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:42:52.67 ID:SZkzcm6eO
>>314
レナ=ジャック
なら、別オリジナルじゃなくね?



空気?からけ でしょ?



319 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:45:49.01 ID:TiapbRgp0
つまり
アキヒトおじさん=勇次郎



320 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:46:17.20 ID:USNICTkyO
>>316
あー・なるほど・・・

ひぐらし重視で読んでたから気付かなかったwww



321 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:46:46.52 ID:L+UMQOiN0
>>309
うおwww安価ミスってる!!
>>314
ありがとう、ガンガル、超ガンガルよ俺!!
>>316
空気と書いてからけと読む、違ったけ?違ってたらごめん







レナの瞳が深く濁った。
今更震える事もねえがな。
俺達はもう闘り合っちまってる。俺は、コイツを倒すと決めちまった。

「刃牙・・・、アナタが動けなくなる前に聞いて欲しい。私の昔の話・・・」

「私の名前
ゴシャァッ!!!!



322 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:49:34.07 ID:L+UMQOiN0

俺はまだ喋り終えず動いているレナのアゴを右ストレートで思い切り打ち抜いたッ!
わりいなねえちゃんッ!長話なら後にしてくれッ!!
感動の再会もいいが忘れてねえか?俺たちゃ今闘ってるんだぜッッ!!!!
ガゴォッッ!!!
クリーンヒットをもらって地面に両手を付いたレナのアゴを、俺は更にサッカーボールキック
で蹴り上げたッッ!!
そして立ちヒザになったヤツの顔面にローキックの嵐を浴びせる!!
ガッッ!!ベキィッ!!ガキィッ!!ゴッッ!!
連打をモロに食らいながらもなんとか立ち上がろうとするレナに
更に顔面狙いの
バグゥンッッ!!!!
大振りのワイルドパンチを振り抜くッッ!!!!
ぐらぁ
上体の傾いたレナの背後に回りこみ
ガッ!
両腕を首に、両足を胴体に巻きつけ
ギュゥゥゥゥゥッッ!!!!!
全パワーを使って両手足を締め上げる!!!!
頚動脈と一緒に気管も締め付けるチョークスリーパーだ。
このままオチちまえッッ!!!!
ググググググ・・・・・




323 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:52:54.57 ID:L+UMQOiN0

・・・・スク

なっ・・・・。
レナは俺にチョークを食らったままフツーに起き上がっちまった・・。
立ち上がったレナの背中に俺がおぶさってるみたいな格好だ・・。
ギュ
レナは全力で首を締め付けている俺の両腕を掴むと、
ゆっくりと事も無げにそれを外しちまいやがった。
ブンッ
そのまま投げ飛ばされた俺は、身体を一回転させて足から地面に着地した。
クソッ、全力で締め付けたのにッ!!まるで堪えちゃいねえ!!
「刃牙・・・分かってる。ここからはもう兄弟じゃないもんね・・」
レナの瞳に表情の色が戻った。
「でも・・・私が私で無くなる前に、どうしても話しておきたい事があるの。
アナタと、私の仲間達に・・・」




324 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:55:35.68 ID:L+UMQOiN0

私があの男に会ったのは、母の仕事の都合で茨城に住んでいた小学校3年生の時だった。
学校からの帰り道、石を蹴りながら歩いている私の身体を突然巨大な影がすっぽりと覆った。

上から下まで真っ黒な服、空と同じ高さまで視線を上げないと見えない顔。
下を向いて歩いていた私は一瞬自分が何かの建物にぶつかりそうになったのかと思った。

「動物園に連れて行ってやる」
その男は唐突にそう言って私を胸に抱いた。そして道路わき停まっていた
見たことも無いような黒塗りの高級車に乗り込んでしまった。
傍から見ればもう誘拐以外の何物でも無い。しかし不思議と私は抵抗をしなかった。

この人は学校の先生と同じだ、言う事を聞かないとわるい子だ。

その時私は何故かそう思った。

走る車の車内は私にとってはまるで別世界だった。
運転席と完全に切り離された部屋のような空間、革張りのシート、きらびやかな装飾、
テレビや電話、冷蔵庫まで付いている。
おじさんだれ?
どこからきたの?
わたしをどうするの?
私の質問には答えず男はその大きな手を私の頭の上に乗せ
「いい子にしてな・・」
とだけ言った。
仕方が無いので私は黙って窓から外の景色を眺めていた。



318 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 05:43:43.73 ID:R/b3ZBz4O
昨夜寝る前に見たけどまだやってんだな
紐切りはショーコーじゃなくてコーショーだよね(´・ω・`)



325 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 05:58:04.20 ID:L+UMQOiN0
>>318
こ れ は 恥 ず か し い






そして男は本当に私を動物園に連れて来た。
男は私を肩に乗せ、動物園の中を闊歩して回った。

今までテレビや本でしか見たことの無かった動物達が目の前にいる、
生まれてから一度も動物園と言う場所に足を踏み入れた事の無かった私にとって
それは自分の置かれていた状況も忘れて素直に楽しんでしまう程魅力的な時間だった。

「楽しいか?」

「うん・・。おサルさんかわいいね」

本当に楽しかった。
もう男の正体はさほど気にならなくなっていた。
そんな事よりこの人は次は何を見せてくれるんだろう?
私の心は期待に満ち溢れていた。
しかしその先に待ち受けていたのは、私の理解の範疇を大きく超えた
異常な光景だった。



326 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:01:08.88 ID:yN8BpW6K0

男はトラの檻の前まで来ると不意に私を肩から下ろし、ここで見ていろ
と言って柵を越えて檻のすぐ前まで歩いていった。
何してるんだろ・・・・?
そして縦横に鉄筋が張り巡らされた鉄格子に片手を掛けると、
そのまま無造作に腕を横に振りぬいた。
ギィィィィィ
聞いた事の無い嫌な音。私は自分の目を疑った。
鉄筋がまるですだれみたいにくの字にひしゃげている。
何本かは根元から折れて檻の中に落ちた。
男はカーテンを開けるみたいに鉄筋を‘開けて’しまったのだ。
更に今度は横に伸びている鉄筋に手と足を掛けると
ギィィィィィ。
今度は上下に‘開けた’。
そのまま檻の中に入ってしまう。

え・・・なにこれ?

周りの人間が悲鳴を上げながら逃げ去ってゆく中、私はまだ事態がよく飲み込めず
ただ呆然と目の前の光景に見入っていた。
しかし本当に理解不能な事が起こったのはその後だった。



328 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:04:53.50 ID:yN8BpW6K0

ドカン!

私の普段の生活では決して聞く事の無いとても大きくて異様な音。

トラがおかしな格好で壁に寄りかかって寝ている。
その頭の位置から上に向かって壁に伸びる赤黒いシミ・・・・

飛び掛ってくるトラを、男はまるで目の前のハエでも追い払うように
無造作に手で振り払った。
たったそれだけでトラの身体は激しく横に飛び、壁に衝突して動かなくなってしまった。
男はトラを殴り殺したのだ。片手一本で事も無げに。

目の前で起こった事態が理解出来ず唖然としている私を肩に乗せ、男が走り出した。
まるでジェットコースターのようだった。
そこからはもう繰り返しだ。

パンダの頭を叩き割り
ライオンを蹴り殺し
キリンの首をへし折り
ワニを踏み潰し
最後には象を投げ飛ばした。

どうしてこんな事になってしまったんだろう?
私は楽しかったハズの動物園がいつの間にか血生臭い修羅場に変わってしまった事に
ひどく混乱し、その修羅場を作り出した男に怯えた。
しかし目の前で次々起こる非現実的な光景の連続に思考が追いつかず、
その内何も考えられなくなった。
もうどうにでもなれと言う心境だったのだ。動物園を出る直前までは。



327 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 06:03:41.04 ID:TiapbRgp0
ちょwwwwもしかして>>319当たってるのかよw



329 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 06:05:09.55 ID:USNICTkyO
>>327
バーローwwwwwwwwwwwww



330 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/15(日) 06:06:09.54 ID:whiNWDvq0
>>327
勇次郎=レナの実父 アキヒトおじさん=栗木拓次



331 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:08:02.28 ID:yN8BpW6K0

騒然としている動物園を男の肩に乗せられて進んでいると
入り口に二人の警察官が見えた。
誰かが通報したのだろう。恐らく園内にも幾人も入っていたハズだ、
彼等は入り口の見張り役だったんじゃないかと思う。
もちろん当時の私はそこまでは考えられずただ動物園をメチャクチャにした
私達を捕まえに来たのだと思った。

私を肩から降ろした男の顔を見た時、それまで朦朧としていた私の心に一つの意志が宿った。
ああ、私にはやらなきゃいけない事があった。
これだけは伝えなきゃいけないんだ・・・

だって男は、さっき動物達を目の前にした時と同じ顔をしているじゃないか。
「逃げてえッッ!!!!」

私は二人の警官に向かって力の限り叫んだ。




332 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:11:12.74 ID:yN8BpW6K0

叫び終わる頃には二人の警官は身体の一部をひどく歪ませて地面に倒れていた。

人が・・・死んだ。

目の前で殺された。

目の前に突きつけられた人間の‘死’と言う現象は
幼い私には理解どころか認識の範疇すら超えていた。

どうすればいい?
どう考えればいい?

恐怖も悲しみも何も浮かんでこない。
身体が自分の身体じゃないみたいに何も感じられない。

ガタガタガタガタガタ
その内思い出したように身体が大きく震え出した。
呼吸が乱れる。

男はそんな私の頭を血まみれの手で撫で、口元を大きく吊り上げて笑った。

鬼だ。
目の前の‘コレ’は人間じゃない。
鬼ヶ淵の鬼が私を食べに来たんだ・・・。
私は雛見沢に住んでいた頃に聞かされた昔話を思い出していた。

男はまた私を肩に乗せ悠々と入り口のゲートをくぐり、何事も無かったかのように
車に乗り込んだ。運転手も血まみれの私たちに驚きもせず車を発進させた。



333 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:14:21.93 ID:yN8BpW6K0
車の中では生きた心地がしなかった。
私は男から一番遠い場所に座り、身体を強ばらせた。
男に恐る恐る聞いてみる。

「私を・・・食べるの?」

男の目が、ほんの僅かに見開かれた気がした。
そして数秒の沈黙の後、私の質問には答えずに
肩を震わせて「クックック」と笑いをかみ殺した。
その姿にまた恐怖を覚えながらも私は質問を変えてみた。

「これからどこに行くの?」
「いい子はもうおウチに帰る時間だぜ?」

車は本当に私の家の前に着いた。
辺りは既に暗くなっていた。
車から降ろされ、どうしていいか分からず立ち尽くしている私に、
男はアゴで玄関のドアを指し示した。
私は藁のようになっている足に必死に力を混め、ドアに向かって走りだした。
「レイナ」
玄関のドアノブに手を掛けたところで男に呼び止められる。
私の名前知ってたんだ・・・。
恐る恐る後ろを振り返った。
男は車のドアを開け乗り込む最中だった。
「**********」
え・・・何て言ったの・・・・?
男が乗り込んでドアを閉めると、車は走り去っていった。
私はドアノブを両手で掴んだままその場にへたり込んだ。



334 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:17:33.08 ID:yN8BpW6K0

家に入るなり行方不明だった娘を心配して血相を変えて飛んで来た両親に、
私はその日の出来事を話した。
話している自分でも信じられなくなるようなメチャクチャな話だった。
しかし両親の反応は意外なもので、
半ば投げやりに話す私を見つめながら、始めの剣幕は次第におとなしくなり、
父はガックリと肩を落としうな垂れ、母は血の気の引いた顔で小刻みに震えていた。


そして翌日母が消えた。


父は警察に連絡し、仕事を休んで方々手を尽くして母の行方を捜したが、
何ヶ月か経つと新しい仕事を探すようになり、母の捜索は週に一回のビラ配りのみ
になり、その内それも月に一回になった。



335 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:20:42.37 ID:yN8BpW6K0

あの時現れた鬼がお母さんを鬼隠ししてしまったんだ!
私は泣きながら何度も父に訴えた。
しかしその度に父は私を抱き、肩を震わせて私と一緒に泣いてしまうので
いつからか私も母の事を口にしないようになっていった。
それでも私の中の確信は消えなかった。
あの男はやはり鬼ヶ淵の鬼だったんだ、お母さんは私の代わりに
鬼隠しにあってしまったんだ。
どうして私はあんな恐ろしい鬼にノコノコついて行ってしまったんだろうッ!!
私は激しく自分を責めた。
アイツは・・・「敵」だったんだ。
アイツは動物を殺した。
アイツは警察官を殺した。
アイツはお母さんを・・・・・・・ッッ!!

あの男を受け入れるべきではなかった。
全身全霊で拒絶すべきだったんだ。
そうすればお母さんは鬼隠しに遭わずに済んだかもしれない。
今度鬼が来たら真っ先に言ってやろう。
私はオマエなんかにはついて行かない、お母さんを返せッ!!!



336 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:25:24.33 ID:L+UMQOiN0

しかしそれから母もあの男も二度と私の前に姿を現す事は無かった。
私も中学に上がり、鬼や祟りとなどと言うものを寓話として
捕らえ始める年齢になっていた。
母の居ない生活にも慣れ、以前より働かなくてはならなくなった
父の代わりに家事をこなすようになっていた。

父が家を留守にしたある休日、掃除をしようと父の部屋に入った私は、
机の上に置かれた数枚の紙を見つけた。
何の気なしに手に取ると人間ドッグの検査結果だった。
そう言えば会社で受ける事になったと父が言っていたのを思い出した。
何気なく目を通す。特に問題は無いようだった。
机に戻そうとした時、ある項目が目にとまった。
血液型・・・・・X型
あれ?お父さんってY型じゃなかったけ?
私はその一行から目が離せなくなった。
何故だか分からないが、心臓の鼓動が微かに大きくなった。
私は紙を机に戻すと必死になって家捜しを始めた。
家で書類の置いてある場所を片っ端から漁っていった。
そして見つけた。



337 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:28:35.17 ID:L+UMQOiN0
母子手帳と書かれたソレを震える手でゆっくりとめくってゆく。
「・・・・・・」
母はX型で私はY型だ。昔聞いた通りだ。合ってる。違っているのは父の血液型だ。
父はY型で母がX型、私はY型。昔二人に教えてもらった。
でも父はX型だった。
な~んだ、お父さん自分の血液型間違って憶えてたの?
あきれちゃうよ、もし事故とかに合って輸血されてたら死んじゃってたかも知れないよ?
危ないなあ、あははははは。
・・・・・・・・
あれ?なんだろこのドキドキ。
さっきから心臓のドキドキがどんどん大きくなってる。
どうしたのレイナ?何をそんなに慌てているの?
お父さんとお母さんがX型で私がY型。
お父さんが自分の血液型を間違ってた、それだけの事じゃない。
お父さんとお母さんがX型で私がY型。
お父さんとお母さんがX型で子供の私がY型。
お父さんとお母さんがX型で生まれた私がY型。
お父さんとお母さんがX型なら私は何型?
お父さんとお母さんがX型ならY型の私は誰?
お父さんとお母さんがX型ならY型の子供は・・・・・・・

        
        生 ま れ な い






338 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:31:42.22 ID:L+UMQOiN0

「何ソレ・・・?」
視界が歪み地面が揺らぐ。
・・・落ち着け、もしかしたら父の検査に間違いがあったのかも知れない。
この母子手帳だって十数年も前の物だ、だいたい母子手帳に書かれた
血液型なんて・・・そうだ!
生まれたばかりの赤ん坊は血液型が変わる事があるって聞いた事がある!!
そうだ、私の血液型が変わったんだ。Y型からX型に変わったに違いない。
二人はそれを知らずに、しかも父は自分の血液型も間違えていて・・・・。
なんとか自分を納得させようとするが胸の鼓動は尚も高まってゆく。
私は居ても立っていられず電話帳を開いて献血を行っている所を探した。
献血をすれば自分の血液が分かる。輸血用の血液だ、血液型を誤るような事は
ないだろう。
私はすぐに電車を乗り継いで献血センターに向かった。




私はY型だった。係りの人に何度も何度も確認した。
私は重い足取りで家に帰り、父の帰りを待った。



339 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:35:05.17 ID:L+UMQOiN0

帰宅した父を私は凄い剣幕で問いただした。
父は口が重く、はじめははぐらかそうとしていたが、私が必死の形相で問い詰め、
仕舞には一緒に献血に行こうと言い出した後、ようやく重い口を開いた。

知らずに済めばどんなによかっただろうか。何故私はあんな物を見つけてしまったんだろう?
何故あの時ほんの少し頭をかすめただけの下らない予感を笑い飛ばせなかったんだろう?
私はこの日ほど自分の行動を悔やんだ時は無かった。



341 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:39:10.93 ID:L+UMQOiN0

まだ父と知り合ったばかりの頃、興宮で服飾デザイナーをしていた母の前にその男は現れた。
曰く歩く核弾頭
曰く素手の軍隊
曰く格闘技全生物無差別級チャンピオン
まだオーガと呼ばれる以前の彼は色々な異名を持っていたようだ。

「俺の子を生め」

彼は母に出会うなりそう言ったらしい。
鬼ヶ淵の鬼の血に惹かれたのか、それともただの気まぐれか。
彼が何故母に狙いを付けたのかは分からない。
しかし少なくとも母は例えアイツが地上最強の生物であろうと、
そんな獣性に惹かれるような人では無かった。
彼は問答無用で母を犯した。犯したなんてものじゃない、
ただ自分の種を無造作にばら撒いただけだ、後に母はそう語ったそうだ。
そしてその一晩限りの行為で、母は私を妊娠した。
父は語らなかったが、きっと母は自分の身体にあの凶悪な獣の子供を
宿してしまった事に酷く苦しんだに違いない。しかしアイツは
自分の子供を生めと言ったのだ。それは最早脅迫に等しい命令だろう。
中絶などしようものならどんな恐ろしい事が起こるか分からない。
恐らく母は恐怖におののきながら私を産んだのだ。
出産後ふらりと病院に現れた彼は、私が女だった事に大層驚いたそうだ。
フッ、あの男は自分の子供は男しか生まれないとでも思っていたのだろうか?
「興味が失せた」そう呟くと男はそれっきり母の前から姿を消した。



342 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:42:51.71 ID:L+UMQOiN0

その後一歳になった私を実家に預け、母は職場に復帰した。デザイナーの
夢を諦め切れない思いもあったのだろうし、なにより未婚の母は私を
養わなければならかったのだ。
職場の同僚だった父はそんな母の傷心を癒し、全てを知った上で母と私を
自分の籍に入れ、私を自分達の子供として育てて行こうと誓い合ったそうだ。
そして私は竜宮レイナとして何一つ自分を疑う事無く生きて来たのだ。





過去を語る父の表情は苦々しくとても辛そうだった。
「お前が生まれて来る時には、確かに悲しい出来事があった。でもお父さんとお母さんは
お前が生まれてこなければよかったなんて思った事は一度だって無いッ!絶対に無いッ!!
お父さんとお母さんは世界中の何よりお前が大事なんだ。これだけは信じてくれッ!!」
父は悲壮な顔で必死に私に訴えた。
わかってる。父はきっと、いや絶対にそう思ってくれている。
・・・でも母はどうだろう?
何故母は私達の前から姿を消したのだろう・・・




343 :Ud3Nux8u0 ◆qTXlnhuw1U :2006/10/15(日) 06:46:03.54 ID:L+UMQOiN0
私は頭の奥に引っかかっていた全てのパズルのピースがぴったりと合わさる音を聞いた。
あの時私の前に現れたあの鬼、アイツが範馬勇次郎だ。

母は私の前にあの男が現れた事を知り、忘れていた恐怖が再び蘇ったのだ。
思い出せ、あの晩アイツの事を話す私を見つめていた母の目を・・・。
あれは恐怖に怯える目だった・・・。母は自分とあの男の繋がりがまだ切れていない事を
知ってアイツから、いや私から逃げ出したのだ。

だって私は・・・・・・あの男と血が繋がっているのだから。

その巨大で凶悪な手を私の頭の上に乗せたアイツの顔は、いつも笑顔だった。
目の前の二体の警官の死体を見つめる私の頭に手を乗せ、アイツは笑った・・・。
なぜ・・・?
その手で人を殺すところを見せておいて、それに怯える子供に何故微笑んだんだろう?
・・・怯える?・・・本当に怯えていたの・・・?
本当は笑っていたんじゃないの?
きっとそうだ・・・。目の前で動物が殺された時も、人間が殺された時も、その話を
両親の前で話した時も、自分では気付かなかったけど笑っていたに違いない・・・。

だって私は・・・・・・あの男と同じ鬼なのだから。

私から母を奪った憎むべき鬼。
全身全霊で拒絶すべき「敵」。
そう思って生きて来たのになんなのこれは?まさか私自身がその鬼と同類だったなんて。
こんな笑える話も無い。でも何も不思議な事も無い。

だって私は・・・・・・望まれずに生まれて来た子供なのだから・・・・・・・・



ひぐらし×刃牙 「背中の鬼の哭く頃に」 その5







べジータと同じ部屋に閉じ込められました(´д`;)  その1
ポケモンですが、死にたいです
ライアンですが、場車内の空気が最悪です
夜神月を雛見沢に閉じ込めてみた/ひぐらしがなくですの
節子…それ、ドロップやない、オハジキや
十三年後のクレヨンしんちゃん
「Dora/stay night」 ドラ/ステイナイト
  1. 2006/10/23(月) 23:18|
  2. ニュー速 VIP|
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